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【参加レポ】人権問題講演会

2月22日(金)5・6時間目に体育館にて1・2年生を対象に人権問題講演会が行われました。

こういった授業が行われていることや、講演内容などぜひ知って頂きたいと思いレポートします。

 

はじめに講師、藤井先生の紹介です。

藤井輝明(ふじいてるあき)

昭和32年東京都国立市生まれ、現在62才。

医学博士、研究員、大学の教授で、NHKにも出演されているなど、いろいろな肩書きを持っていらっしゃいます。

内谷中学校へは今回で2回目の講演になります。

先生は、2才の時に発病した海綿状血管腫(日本医学会協会認定の難病)という病気のため、右頬上から目にかけて大きなこぶのようなあざがあります。このこぶのため、小学校1年生の時からいじめにあってきました。

ご自身のいじめや差別体験から、顔に病気や傷などを抱える人たちに対する偏見をなくすために、小・中・高校などでの講演や交流授業などを行っています。

山浦校長先生より挨拶がありました。

【人権】とは、誰しもが自分らしく生きる基本的な権利。特に命など大切な物をおかされることのない、人は誰しもが幸せに生きることのできる権利です。まずは自分を大事に、そして仲間を大事に。お家の人達、先生、地域の人達を大事に。人間得意な事、不得意なことがある。それをお互い認め合い、助け合える人間になってもらいたい!

子ども達も緊張感を持ち真剣に聞いていました。

 

はじめに藤井先生のプロモーションビデオの視聴です。

ビジュアルは人の心を捉える。小学校から大学時の就職活動中にもいじめがあり、50社受けて全て不合格。ある企業では「おまえは化け物だからうちの企業では採用しない。銀行の窓口には出せない」と言われることもありました。

後に参加した医学の講演会で医学博士との出会いがあり大きな転機に。その出会いをきっかけに、臨床試験研究所の病院に就職。

医学の道に進む事になり、猛勉強の末、名古屋大学から医学博士の学位を授与。熊本大学医学部ではハンセン病患者の方々とも関わり、見た目の問題に対する偏見をどの様にしたら理解してくれるか。自分の顔を材料に、ふれあいタッチの授業をし、怖い病気や人にうつる恐ろしい病気ではないことの理解を深めていきました。

差別、偏見がありながらも地道に真面目にコツコツ理解を深めていった。体当たりで切り開いてきた差別のない人間関係を広げていきたい。その気持ちでここまで来るには並々ならぬ努力を重ねてきたといった内容の映像でした。


一人ひとりの違いこそがその人の魅力・個性・チャームポイント

【藤井先生のお話】

今の時代、世界との交流ができます。

肌の色、髪の色、目の色、生活スタイルは皆違います。いろいろな違いを認め合う。違うからダメということはなく、違いがあるからいい。その一人ひとりの違いこそがその人の魅力・個性・チャームポイントです。違いがあることは良いことです。

皆さんの友達、仲間もそうです。自分とは違う、こういう事で友達をいじめたり、ひやかしたり、からかったりしてはいけない!

一人ひとりにあなたにしかない魅力、あなたにしかないチャームポイント、個性、そして人生があります。

 

皆さん80年90年生きます。医学は進歩しています。

一人ひとりしか出来ない将来の仕事、社会の役割が全員にあり、大変尊い存在なのです。

友達、仲間たちが将来、自分にはできなかった事をやって、お互い友達のネットワーク、これが皆さん方を更に高めていく事に繋がっていきます。人生60年ぐらい経つと社会でみんな結構偉くなってきます。多くの力のある、友達、仲間と結集してこの国や地域を更により良くするために協力をしていく、これは本当に素晴らしい事です。

 

人は自分が恵まれた環境にあると、いかに恵まれた環境にいるのか見えなくなる。難しい病気を発病して、はじめて幸福な幸せな環境にいたのだなということがわかる。現在難しい病気で苦しんでいる人が100万人くらいいる。

難病患者さんの中には、学校に行きたくても体が動かない。今日、この瞬間を皆さんと同じ年齢を病気で苦しんでいる方が、病院のベッドの上や家で病に伏せているという厳しい現実があります。そうゆう生徒さん達の無念の気持ち、そうゆう人がいるということをしっかり受け止めて、どうかその人の分まで一生懸命勉強をして遊んで、部活動、特別活動に励んでいただきたい。

藤井先生への質問コーナー

お話が終わり、質問コーナーではすごい行列が続き、子ども達は笑顔で先生のほほにふれあいタッチをしていました。

 

Q 小学校のいじめはどうやって立ち直ったのですか?

A 家族の励まし、友人、地域の励ましがあったからです。

 

Q どうやって大変な時期を乗り越えたのですか?

A 自分にしか出来ないことがあると信じてコツコツと勉強し、一歩前に踏み出す事です。

 

Q  友達に言われて嬉しいことは?

A  笑顔がいいね! 苦しい時こそ、大変な時こそ笑顔。

 

Q  苦手な科目を得意にするには?

A  友人に教わりましょう。そして自分の得意な科目も教えてあげます。

 

学校生活に関係する質問がとても多かったです。

最後に「友人、仲間を大切に、そして素直で真面目な人間になってください!勉強を一生懸命、頑張ってください!」と声をかけ、会場をあとにされました。


貴重な体験をありがとうございました

毎日の生活、友達、仲間、家族… あたり前のように過ごしているが、今を素晴らしい仲間と一生懸命生きることの大切さなど、聞いていた子ども達の真剣な表情から、きっと心に響いたのではと思います。

 

たくさんの事を考えさせられる素敵な授業でした。

今回、3年生担任の青木先生が中心になって何度も打ち合わせを重ね、人権問題講演会が実現できたそうです。

子ども達に貴重な体験を本当にありがとうございました。